2019年度 浅草病院 病院指標

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 8 29 52 100 112 234 480 530 228
この指標は、平成31年4月~令和2年3月に一般病棟を退院した患者数を対象としています。年齢は、一般病棟に入院した時点のものを使用し、年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。当院の年齢階級別退院患者数の傾向としましては、60歳以上の患者様が全体の80%を占めています。その中でも80歳代の患者様が一番多く、全体の30%を占めている状況です。年齢階級別の主な疾患として、60歳以下は、大腸ポリープ、腎結石及び尿管結石、虫垂炎、腸炎、60歳以上は、大腿骨骨折、心不全、白内障、誤嚥性肺炎等が挙げられます。高齢の患者様の割合が多い傾向にあり、今後も高齢の患者様の増加が予想されることから、地域のニーズに合う医療機関を目指します。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 149 27.99 20.84 18.12 85.85
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 58 3.12 2.63 0 63.93
050130xx99000x 心不全 46 21.46 17.71 21.74 81.26
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 43 24.4 12.58 11.63 82.98
100380xxxxxxxx 体液量減少症 34 19.12 9.13 23.53 78.44
当院の内科では、加齢などによる嚥下機能低下が発生要因となる誤嚥性肺炎、心臓の機能低下により血液供給が不十分である状態の心不全、尿閉や尿道カテーテル留置なども発生要因となる尿路感染症が挙げられます。いずれも高齢者に多い疾病であり、平均年齢も70歳以上となっています。また、昨年度より内科の中でも消火器内科において大腸ポリープの切除を行える体制となり、患者数は前年度より33件増加しています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 19 2.26 2.63 0 60.63
010069xx99000x 脳卒中の続発症 18 3.39 9.76 0 81
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 18 9.72 4.85 0 67.61
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 18 11.67 8.89 0 72.17
060150xx99xx0x 虫垂炎 17 6.88 6.94 0 33.76
外科では、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)の良性及び悪性疾患、鼠径ヘルニア等を診療しています。
今年度では、小腸大腸の良性疾患、脳卒中の続発症、鼠径ヘルニア、腸閉塞、虫垂炎が上位を占めています。鼠径ヘルニアとは、おなかの中にある腹膜や腸が、鼠径部の腹壁から皮膚の下に飛び出した状態の事をいいます。腸閉塞(イレウス)とは、腸が閉塞や狭窄を起こし、腸の運動が低下して起こる疾患です。 脳卒中で寝たきりとなった患者様に胃瘻(胃壁と腹壁に穴をあけてチューブを取り付け、外から直接胃に栄養剤などを注入する治療法。)を造設する手術も行っています。手術を要する場合、患者様の身体に負担が少なく比較的早期に退院が出来るように腹腔鏡下の手術を中心に行っています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 83 68.67 25.94 9.64 82.53
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 62 46.53 19.40 8.06 78.16
070343xx99x01x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、 不安定椎(手術あり) 15 19 18.22 20 80.27
080010xxxx0xxx 膿皮症 14 17.57 12.55 14.29 70.36
070343xx99x00x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎(手術なし) 13 7.15 12.16 0 74.38
当科は関節、筋肉、骨といった筋骨格系の疾患を幅広く診療しています。高齢になって骨粗鬆症になると、若い時と比べて骨が脆弱になり、転倒などの比較的軽い外力でも骨折することがあります。歩行能力を回復するには手術的治療が最も効果的であり、ほとんどの症例で手術を実施しています。その中でも大腿骨骨折の手術を多く行っています。平均年齢も82歳と高齢の患者様が多い疾患でもあります。リハビリについても手術の翌日から介入する事で、日常生活に早く復帰できるよう目指しています。また、回復期リハビリテーション病棟でより充実したリハビリ治療も行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患(片側) 58 2 2.78 0 74.28
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患(両側) 37 2 5.09 0 75.73
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 16 4.25 6.71 0 73.81
020160xx97xxx0 網膜剥離 - - 9.33 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 - - 5.95 - -
人間の目の中にはカメラに例えるとレンズに当たる水晶体という部分と眼球のまるい形を保ち、外から圧力や衝撃がかかったときにそれらを分散させる役割を担っている硝子体があります。白内障とは、水晶体が混濁することで、視力の低下をきたす状態です。眼科では白内障の手術、糖尿病網膜症や網膜剥離など、網膜になにかしらの異常が起きている際、網膜を守るための硝子体手術を主に行っています。最も多い白内障手術では、1泊入院で行っているため、入院日数も平均で約2日以内で行っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 44 2.02 2.64 0 50.84
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 24 2.13 2.49 0 71.54
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 14 9.64 7.07 0 72.86
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 13 8.08 8.52 0 73.23
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 11 11.09 14.40 0 64.09
当科では腎臓や尿道にできた結石を砕いて排石する手術を行っています。入院期間も約2日と全国平均よりも少し短くなっています。また、膀胱癌の早期治療や前立腺癌の早期発見と早期治療に取り組んでいます。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) - - 19.66 - -
010060x0971200 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) - - 25.15 - -
010060x1990210 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10以上) - - 28.79 - -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 - - 14.62 - -
050130xx99020x 心不全 - - 24.43 - -
今年度より脳神経外科が開設され、急性期脳卒中、良性および悪性脳腫瘍、頭部外傷に対する内科的治療行っています。
高度な診療や専門的な診療が必要な場合は、他の医療機関とも緊密に連携をしています。また、急性期加療終了後、日常生活機能を取り戻すため回復期リハビリテーション病棟でリハビリを適切に施行しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類基準(※) 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 2 2 0 6 5 5 1 7,8
大腸癌 2 6 8 3 3 12 1 7,8
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
UICC 病期分類とは、癌の進行度合を、①原発巣の大きさと進展度(T分類)、②所属リンパ節への転移状況(N分類)、③遠隔転移(M分類)の有無の 3つのカテゴリによって各癌をⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するもので、Stage0は初期段階でStageⅥいわゆる末期癌を指します。
「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。  「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

UICC 病期分類とは、癌の進行度合を、①原発巣の大きさと進展度(T分類)、②所属リンパ節への転移状況(N分類)、③遠隔転移(M分類)の有無の 3つのカテゴリによって各癌をⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するもので、Stage0は初期段階でStageⅥいわゆる末期癌を指します。
「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。  「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

  • 集計期間中(平成30年度)に退院した患者様が対象で実患者数を集計しています。
  • 初発の病期分類は、UICC病期分類に基づいたものとなります。
  • 集計期間中に「初発」として集計されたものは「再発」には集計しません。
  • 病期分類が確定する前に亡くなられた場合等は、病期分類は「不明」となります。
  • 医療資源を最も投入した傷病名が疑い病名であったものは集計対象から除外しています。
  • この指標は集計数が10に満たないときは「-」にて表記しています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 1 5 37
中等症 33 25.39 76.39
重症 11 24.18 82.27
超重症 1 9 68
不明 0 0 0
この指標では、市中肺炎のみの統計となり、誤嚥性肺炎の件数は含んでいないデータとなります。重症度とは、A-DROPという判定基準を基に全国統一で抽出されています。

市中肺炎とは市中(病院内や老人施設などを除く)で発症する肺炎で、若年層から高齢者まで幅広い年代でみられます。

A-DROPとは下記①~⑤の頭文字をつなげたもので上記項目の該当の有無に応じて軽度から超重症までの分類を行います。
①Age     :年齢(男性70歳以上 女性75歳以上)
②Dehydration :脱水症状(BUN 21mg/d以上又は脱水あり)
③Respiration  :呼吸状態(SPO2 90%以下・PaO2 60torr以下)
④Orientation  :意識レベル(意識障害 JCS方式での判定)
⑤Pressure    :血圧(収縮期血圧 90mmHg以下)
重症度0=軽症、重症度1or2= 中等度、重症度3=重症、重症度4or5=超重症に分類されています。

台東区は東京都内において高齢化率が高い影響もあり、70歳以上で中等症以上の患者様が多く入院されております。年齢が増すほど合併症を併発して重症化率も上がります。血液検査を行い適切な抗生剤を選択し治療を行い、栄養管理やリハビリも早期に介入することにより日常生活へ戻れるように診療しています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 15 66.53 78.33 5
その他 5 125.6 82 5
急性期脳梗塞の診断で入院される方は発症から3日以内に治療が開始されています。早期診断、早期治療開始、早期リハビリ介入を心掛け、急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟への円滑な移行によって、発症後のADL(日常生活動作)障害が軽減されています。本報告では制度上急性期から回復期リハビリ病棟を経由して退院するまでの在院日数となりますので、約66.53日と長くなっています。
その他(3日以上発症日から経過している)の患者様は、他の医療機関からリハビリ目的で転院されてきた患者様です。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 69 2.22 2.09 1.45 66.61
K654 内視鏡的消化管止血術 14 1.57 14.36 7.14 73.64
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K6531 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜) - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - - - - -
昨年度より、内科の中でも消火器内科において大腸ポリープの切除を行える体制となり、対象の患者様も増えており、外科も含めて一番多い手術となっております。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 20 0.25 1 0 61.9
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 15 2.47 6.87 0 66.2
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 - - - - -
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 - - - - -
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - -
患者様の身体に負担の少ない腹腔鏡下や内視鏡での手術において経験豊富な医師が適切な診療を選択し患者様に説明した上で実施しております。その他にも悪性腫瘍手術(消化器癌)なども腹腔鏡下手術にて施行することで、手術後の平均在院日数も短くなっています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 63 6.21 59.37 12.7 82.6
K0811 人工骨頭挿入術(股) 41 5.9 65.56 4.88 81.51
K0462 骨折観血的手術(前腕) 15 3.07 19.27 6.67 61.4
K0463 骨折観血的手術(膝蓋骨) 10 3.2 21.6 0 60
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) - - - - -
高齢者に多い大腿骨(股関節周囲)骨折に対しての手術が上位を占めております。また、大半が緊急入院でありその後手術を施行しております。また、術後は翌日よりリハビリを介入し早期に社会復帰できるように診療しております。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 97 0 1 0 74.6
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 24 0 3.04 4.17 72.63
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
K277-2 黄斑下手術 - - - - -
K2686 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) - - - - -
当科における高齢者に多い疾患の1つが白内障となり、平成30年度と同様に白内障の手術を多く行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 44 0 1.09 0 50.45
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 14 2.71 6.21 0 74.29
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 13 3.31 5.62 0 74.31
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K830 精巣摘出術 - - - - -
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、膀胱悪性腫瘍手術、経尿道的前立腺手術等、年々対象患者様が増加しており、全体で前年度よりも13件増加しております。また、経尿道的前立腺手術に関しては、前年度より9件増加しております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
この指標は、播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率の統計となります。DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」に分類して集計しています。
(上記に示した病気が、入院した時に発症していた病気であれば「同一」、入院した後に発症した病気であれば「異なる」となります)
今年度は昨年度同様10名を全て下回る項目となりました。10名未満は「-(ハイフン)」の費表示となっています。

更新履歴

  • 2020.09.30 更新